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お知らせ

2022年01月06日名川中学校図書室1階で読むことのできる青森県の「農民文学」の御紹介

                                          日本木地師学会会長 楯 英 雄

名久井農業高校で昭和59年から62年まで農業科の教員であった長野県出身の河合敬一先生(北川山人)は、昭和46年青森県の農業、農民の風土の『詩集』が「日本農民文学賞」を受賞しております。先生は宇都宮大学農学部を卒業後、東京の「全国中央会」に勤務。エリート企業の勤務を捨て、「日本農業の聖地」である青森県の農業高校の教師として昭和44年赴任。
 当時の青森県の農業は不振にあえぎ一家の柱の男性は東京へ出稼ぎ、主婦、子供、老人だけが残る地域の崩壊が始まっております。河合先生は当時の青森県の農業の様子を「詩」によみ「小説」であらわし、「哀しみの祈り」の農民文学を14冊の作品に残しています。
 青森県では更に「むつ、小川原開発」が始まり農地の多くは工業開発され、農地は荒廃しております。福島県には原子力発電所が建設されていく時代と同じです。
 更に青森、秋田両県の「白神山地」は世界最大のブナの原生林に、「青秋林道」が計画され、自然破壊が進む時代でありました。河合先生の理念は、「農業は自然を大切にする人間の尊い営み。」であることとされ、青森県の尊い農地の荒廃と、白神山地の自然破壊は耐えられなかったことと思われます。
 河合先生は平成26年郷里の長野県旧山口村の生家で74才で御逝去。多くの著書が残されました。12冊の著書を先生の勤務地の南部町立名川中学校図書室1階に寄贈させていただきました。また図書館にない著書は私の手元にありますのでお問い合わせください。「たてひでお 長野県塩尻市大門三番町14の11 電話・ファックス 0263―53―7620」


元名久井農業高等学校教諭「河合敬一」(北川山人)先生の著書の紹介
先生は、昭和59年から3年間「農業科」の先生をされております。
平成26年74歳で御逝去。
南部町の名川中学校図書室1階へ先生の著書を寄贈しましたので、ご紹介いたします。

1白神山地修験の源流行
日本で、最初の世界自然遺産となった白神山地。美しい白神の沢の紹介。旅行や観光ではなく修験者のような清らかな気持ちで、修業また、自然保護を詠われている。

2仙人ブナ
白神山地は、世界最大のブナの原生林である。
ブナの老木は、人間の美しい仙人のようだと書き、そして、「白神の奥深い森で深み増して、透き通る歳月」と詩を詠んでいる。

3水鳥たちの哀号
巨大開発から核燃料サイクル基地六ヶ所村。東北大震災で、原子力事故は多くの犠牲者を出した。白鳥のいる自然と下北半島の農業を守ってほしいと願う書である。

4イタコの草笛
「死」は、人間の悲しみ。死者にあいに下北半島恐山へ行く木曾の上松中学校の私の同級生が亡くなり奥様と次男は遠い青森まで亡くなった父親にあいにいったことがある。悲しい詩である。

5風霊の舞い
恐山で、一人の女性の死体が発見された交通事故で夫と5歳の娘を交通事故で亡くした妻であり、母であった女性は恐山へ死出の旅に出た悲しい物語である。

6遠い氷雨
何故、東北は貧しいのか、昭和44年七戸高校天間林分校の教師として赴任。青森の農業の姿を「詩」を通して悲しく詠んだ詩集。「灯のない部落」で日本農民文芸賞を受賞。難しい詩集であるが、その難しい詩集に挑戦してください。